【徹底解説】ナンバープレート認証が駐車場の精算に革命を起こす!
Column コラム
飲食店や商業施設などの駐車場の出口は、精算に戸惑う方がいて列をなしてしまう場合があります。利用者の満足度低下を招きかねないため、改善を考える方も少なくないでしょう。
一方で、有料駐車場でも出口のゲートが自動で開く場合があるのをご存じでしょうか?駐車券を入れなくても、自動でゲートが開くからといって無料で利用できるわけではありません。
本記事では、自動で出口のゲートが開く駐車場で、スムーズに精算できるナンバープレート認証の仕組みについて解説します。
供給過剰になりつつある駐車場
国土交通省の調査によると、近年は、自動車保有台数の伸びを上回る勢いで駐車場の量的整備が進められてきました。その結果、都市部を中心に駐車場は過剰供給気味になっています。
そのような中、駐車場を取り巻く環境も大きく変化してきました。電気自動車、自動運転車などの普及も重なり、駐車場の位置・配置をはじめ、あらゆる車にとっての利用しやすさが求められるなど、「質」的コントロールが重要視されるようになりました。つまり、近隣駐車場と差別化できるポイントが必要だといえます。どのような内容が差別化になるのかを次の章で見てみましょう。
これからの駐車場は量から質へ
駐車場が供給過剰になってきている中で、ほかの駐車場との差別化を図るには、安心・安全で停めやすく快適であることが重要です。また、先進技術を導入した駐車場が今後増加していくと考えられ、さまざまな自動化の検討も進められています。
- 売上データのクラウドに収集し経営分析に活用
- キャッシュレス化や料金の自動設定
- 過去の稼働状況から入庫・出庫ピーク時間の案内や混雑予想
- 駐車場内の混雑状況に応じた誘導
- ロボットの活用
- 満空案内、混雑時は近隣駐車場へ誘導などネットワーク化
業務の一部自動化により働く方のリソースが確保できれば、これまでとは違う人の手を介したサービスの提供が可能です。例えば、下記のようなサービスが考えられます。
- 予約サービスの提供
- 洗車、カーケアサービスなど車向けサービス
- 託児サービスなど利用者向けサービス
- 観光案内などの情報提供や、観光バス駐車場との連携
人の手によるサービスで、ほかの駐車場との差別化を実現しましょう。
精算への不満の声
駐車場への不満が上がる原因の一つが、精算時の渋滞です。駐車券の挿入に時間がかかったり、小銭がなくて支払いに戸惑ったり、左ハンドルであるために一度車から降りて支払わなければならなかったりと、スムーズな出庫ができないケースが見受けられます。
松山市役所の事例
愛媛県松山市のホームページにて、よくある質問と回答集の中で、駐車場の出庫に関するやり取りが掲載されています。市役所前の地下駐車場が混雑していて出庫に時間がかかったため、多くかかった料金を補償してほしいとの内容です。
駐車料金の精算は、出口の精算機に駐車券を挿入した時間か、事前精算機での精算完了から15分以内となっているため補償はできないとの回答でした。出庫に対して不満を持つ利用者と、なかなか対策が難しい管理者側の関係性が見えてきます。
出庫に時間がかかる理由
出庫に時間がかかる理由として3点考えられます。一つ目は、駐車券による問題です。出庫時に出口まできて駐車券の紛失に気付いたり、折れ曲がった駐車券の精算機への挿入に手間取ったりして時間がかかってしまう場合があります。
ほかには、小銭を持っていなくて支払いに時間を要する場合です。1万円札に対応していない精算機もあり、小銭を持っていないと担当者を呼びだして両替をするなどの対応に時間がかかってしまいます。
また、精算機は右ハンドルに対応しているケースが多いため、左ハンドルの車を利用している場合は降車しての操作が必須です。車から降りて精算したのちにまた乗り込むという流れになるため、出庫に時間がかかってしまいます。
ゲートが自動で開く駐車場の仕組み
ここまで、現状の駐車場の課題について、量から質への転換が求められている点と、出庫時に時間がかかる理由についてまとめました。
ここからは、ゲートが自動で開く駐車場についてご紹介します。駐車場の質向上と出庫時間短縮の解決策の一つとして参考にしてください。
入口ゲート
冒頭でご紹介したように、出庫時のゲートの自動開閉には、入庫時に入口ゲート付近に設置された監視カメラでナンバープレートを読み取る仕組みが活用されています。その車に発行した駐車券が出庫までに事前精算されている場合は、出庫時にナンバープレートを読み取って自動でゲートが開くようになります。
入庫時のナンバープレート読み取り機能は、さまざまな状況に応用可能です。例えば、1つの駐車場を一時利用と月極の2つのパターンで利用している場合でも、入口を分ける必要はありません。1つの入口のまま、ナンバープレートの読み取りで仕分けが可能です。
また、入出庫時間のデータ取得による活用や、ナンバープレート認証による過去の不正利用車の発見・通知にも対応できます。
事前清算
スムーズに出庫するためには、場内に設置されている事前精算機に駐車券を挿入し精算しておきます。その時点で、駐車券と紐づいたナンバープレートの車が「精算済み」だとシステム上で認識されます。もしも駐車券を紛失してしまった場合は、オペレーターに連絡することでナンバープレートとの照合が可能です。
出庫ゲート
出庫ゲートに設置された監視カメラによって、ナンバープレートが読み取られます。事前精算機による精算が確認されるため、自動でゲートが開きます。出口での精算が不要で左ハンドルの車であっても降車が不要なため、スムーズな出庫が可能です。
ナンバープレート認証のメリット
ここからは、ナンバープレート認証の3つのメリットについて解説します。
- 出口の渋滞の緩和
- 駐車券紛失時でも安心
- 入場車両の分析が可能
利用者の満足度向上を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
出口の渋滞の緩和
先述した松山市の駐車場でも問題となっているように、駐車場出口の渋滞は利用者の不満の原因の一つです。出口の渋滞が起きる理由は、出庫時の精算に時間を要するためです。
ナンバープレート認証を導入すれば、出口の監視カメラで事前精算が済んでいるかを確認できるため、出口に精算機を置く必要はありません。利用者は、車に乗る前に精算を済まして出口に向かえば、停車せずに出庫可能です。出庫時の停車を大きく減少させられるため、出口の渋滞の緩和につながります。
駐車券紛失時でも安心
入口で取得した駐車券を持ち歩いて、駐車券を紛失してしまい、余計な支払いを経験した方も少なくないでしょう。
ナンバープレート認証を導入した駐車場だと、入口で入手したナンバープレートの情報と入庫時間から正確な駐車料金を算出できます。事前精算機でオペレーターにナンバープレートを伝えれば支払いができるため安心です。
入場車両の分析が可能
ナンバープレート認証で得た情報をもとに、入場者の動向を分析できます。例えば、下記の情報の取得やデータ分析が可能です。
- 個々の滞在時間把握と平均滞在時間など
- 個々の利用頻度把握と平均利用頻度など
- 都道府県外からの来場者割合
スーパーやデパートなどの商業施設であれば、顧客データの分析は売上向上につながる重要な施策だといえるでしょう。また、過去に不正利用を行った車両の感知もできます。例えば、悪質な行為をくりかえす顧客を登録しておけば、来店時に警戒体制を組むなどの対応が可能です。
ナンバープレート認証の疑問点
メリットが豊富にあるナンバープレート認証について、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。ここでは代表的な下記の疑問点に対して解説します。
- 汚れや雪がついている場合は大丈夫?
- 同じ番号にはならないの?
ナンバープレート認証を導入する際の参考にしてください。
汚れや雪がついている場合は大丈夫?
ナンバープレートについた汚れや雪は、認証精度が低下する原因です。車両認識率の高いカメラを採用すれば影響を抑えられますが100%とはいきません。また、道路交通法にて汚れた状態を禁止しています。
2016年4月1日からは、道路交通法で走行中の判別を妨げる取付方法が厳格化されました。ナンバープレートの取付角度をはじめとし、汚れなどももちろんその対象です。雪がついたままでも道路交通法の違反になりますので、まずはその基準を満たしてから走行しましょう。
上記のように法律に反していないナンバープレートに関しては、ほぼ認証可能だといえます。
同じ番号にはならないの?
ナンバープレートには、4桁の固有番号のほかに地域名や1〜3桁の番号なども記載されています。これらの表示はすべて個別で割り当てられているため、一つとして同じナンバープレートはありません。
また、ナンバープレート認証で取り込む情報も、記載されたすべてのデータが該当するため、同じ番号のデータは存在しません。そのため、通常の利用方法ではナンバープレートの取り違えなども起こらず安心して利用できます。
不安を払拭し、利用するお客様と駐車場の運営側の双方が安心できる便利な仕組みといえるでしょう。
不正使用への対策に!アートのゼネスキャンナンバー
ここまで、出口で精算するタイプの駐車場に対する、ナンバープレート認証の有効性について解説してきました。ナンバープレート認証は、マンションやテナントビルの駐車場のように、都度支払いが発生しない登録制の場合でも有効です。
例えば、鍵やリモコンを紛失してしまうと、利用者はゲートの開閉ができなくなるほか、鍵やリモコンを複製されると、登録していない車両でも不正に駐車ができてしまいます。
アートのゼネスキャンナンバーは、アート出入管理システムと連動させ、事前に車両ナンバーを登録した車だけを入場させる運用を可能にします。鍵やリモコンが不要なので、紛失や複製による不正利用の心配がなく安心です。
ナンバープレート認証で量から質へと駐車場を進化させましょう
駐車場が過剰供給になっているなか「量より質」への転換が求められています。快適な駐車場を提供するうえで、精算時の課題解決は必須です。
アートの「ゼネスキャンナンバー」は、高い車両認識率を誇っており、駐車場利用者の利便性向上を検討されている方に最適なソリューションです。丁寧なヒアリングから充実したサポートがあるため、安心してご利用いただけます。利用者の満足度向上のために、ぜひ導入をご検討ください。
Q&A
Q:駐車場の入り口にナンバープレート認証を利用するメリットは何ですか?
A:ナンバープレート認証は、監視カメラでのスピーディーな認証を実現しているため、降車や停車などの手間が省ける点がメリットです。
Q:ナンバープレート認証を利用すると不正利用対策になりますか?
A:不正利用対策ができるといえます。例えば、月極の駐車場で料金未払いが発生した場合、該当する車両のナンバープレートを登録しておけば、ゲートを空けないなどの対応が可能です。
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