顔認証システムの医療機関への導入事例!メリットや補助金の詳細を解説

Column コラム

顔認証システムは、セキュリティ対策や正確な本人確認が必要なシーンで役立っているシステムです。医療機関では、セキュリティ対策としてだけでなく、スタッフの業務負担軽減や、患者の利便性向上を目的とした導入が進んでいます。

そこで本記事では、医療機関における顔認証システムの導入事例をご紹介します。病院や歯科診療所、薬局などに顔認証システムを導入するメリットを詳しくみていきましょう。また、顔認証システムの導入時に利用できる補助金についてもご紹介します。

顔認証システムとは?

顔認証システムは生体認証の一つです。目・鼻・口などを基準とした顔の情報をデータ化し、登録データとカメラで認証した顔を照合する仕組みとなっています。個人の顔の特徴がデータ化されるため、他人によるなりすましを防止でき、セキュリティ対策として効果的なシステムです。

また、物理的な鍵を携帯する必要がなく、カメラに顔をかざすだけで素早く認証できる点も特徴です。両手が塞がっている状態でも認証可能なため、荷物を持っている場合でもスムーズに利用できます。

さらに、顔認証システムは非接触の認証が可能で、マスクを着用したままでも利用できる製品があるため、感染症対策としても有効です。

顔認証システムが医療機関で導入されている理由

近年、医療機関では患者の離院防止や見守りのために、顔認証システムを導入するケースが増えています。また、見守りやセキュリティ対策以外の目的でも導入が進んでいるため、その理由を詳しくみていきましょう。

ここでは、顔認証システムがどのような目的で医療機関に導入されているかについて詳しく解説し、導入後の効果もご紹介します。

患者の見守りのため

多くの患者を抱える大型の医療機関では、患者一人ひとりの居場所を完全に把握するのは困難です。患者が無断で病院を抜け出してしまった際には、事故につながる場合もあるでしょう。スタッフが注意深く見守りを実施していても、手が回らないケースがあります。そのため、顔認証システムの検知機能が事故防止対策として活用されています。

顔認証システムに患者の顔のデータを登録しておくと、患者が病院から出ようとした際にシステムで検知可能です。また、患者の無断外出を検知した場合に、スタッフが持つ端末に通知する機能が付いた製品もあるため、患者の状況把握が簡単にできます。

オンライン資格確認のため

医療機関では、患者が加入している医療保険を確認する必要があり、確認作業は資格確認と呼ばれています。オンライン資格確認とは、健康保険証化されたマイナンバーカードを使用して、顔認証付きカードリーダーで本人確認を行い、医療保険や特定健診情報などをチェックできる仕組みです。

オンライン資格確認を利用すると、受付での健康保険証の受け渡しや患者のデータの入力などが不要となり、業務効率化につながります。そのため、医療機関ではオンライン資格確認の利用を目的として、顔認証付きカードリーダーの導入が進んでいます。

医療機関への顔認証システム導入には補助金が使える

医療機関に顔認証付きカードリーダーを導入する場合は、補助を受けられるケースがあります。オンライン資格確認を導入する医療機関をサポートするために、医療情報化支援基金が創設されており、条件に当てはまる場合には補助金が支給されます

病院の規模に応じて顔認証付きカードリーダー1〜3台が無償で提供されたり、導入に必要な諸経費も補助されたりするため、医療機関に顔認証付きカードリーダーを導入したい場合は補助条件をチェックしましょう。

  病院 大型チェーン薬局 診療所・薬局
顔認証付きカード
リーダーの提供
3台まで 1台まで

その他費用
の補助

上限
1台導入時 2台導入時 3台導入時 制限なし
210.1万円 200.2万円 190.3万円 21.4万円 42.9万円
事業額の420.2万円を上限にその1/2を補助 事業額の400.4万円を上限にその1/2を補助 事業額の380.6万円を上限にその1/2を補助 事業額の42.9万円を上限にその1/2を補助 基準とする事業額42.9万円を上限に実費補助


補助金額

顔認証システムの医療機関への導入事例

顔認証システムの医療機関への導入事例を、施設ごとにご紹介します。病院や歯科診療所、薬局で顔認証システムを導入した例を詳しくみていきましょう。

ここでは、顔認証システムを利用して、患者の情報をチェックするために導入された例を解説します。顔認証システムの導入後に、どのような効果があったかについてチェックしましょう。

病院

病院では、顔認証システムとマイナンバーカードを利用したオンライン資格確認で、患者の医療保険の資格確認や診療情報をチェックしています。ほかの病院でどのような処方をされているかなどを、瞬時にチェックできる点がメリットです。

例えば、重複処方を防いだり、過去に副作用が起きていないか調べたりでき、処方ミスや判断ミスなどがなくなる点がメリットの一つです。病院では、顔認証システムを使ったオンライン資格確認によって、患者一人ひとりの情報を正確に取得できるためミスが減り、業務の効率化につながっています。

歯科診療所

歯科診療所では、保険資格の過誤によるレセプト(診療報酬明細書)の返戻が起こるケースがあり、スタッフの作業が増えてしまう点が問題になっていました。提出したレセプトに不備があると、作成し直して再提出する手間がかかります。

顔認証システムを導入すると、マイナンバーカードから正しい保険資格情報を得られるようになるため、レセプトの記載ミスがなくなり、返戻の回数が減ります。また、レセプトの返戻時には患者への確認作業も加わるため、スタッフの業務負担軽減が可能な点もメリットです。

薬局

薬局では重複投薬、重複受診などをチェックするために、顔認証システムを導入して本人の情報をオンラインで照会できるようにしています。患者が持参するお薬手帳だけでは、情報の不備などに気づけない場合がありますが、顔認証システムを利用するとオンラインで正確な情報を確認できる点がメリットです。

また、薬局では医療機関の検査結果を元に服薬指導を行うケースがあります。そのため、顔認証システムを使いオンライン資格確認を実施して、特定健診情報を閲覧できる点もメリットとなっています。

顔認証システムを医療機関に導入するメリット

医療機関に顔認証システムを導入すると得られるメリットをご紹介します。顔認証システムは建物のセキュリティ対策や感染症対策として有効ですが、医療機関では本人確認に利用されています。

ここでは、オンライン資格確認の利用を目的として、顔認証付きカードリーダーを導入した場合のメリットについて詳しくみていきましょう。

スタッフの業務負担を軽減できる

オンライン資格確認が導入される前は、手作業で事務処理を行っていたため、時間がかかったり、入力ミスをしてしまったりするケースがありました。スタッフの業務負担も大きく、患者の待ち時間が長くなる原因の一つだったのではないでしょうか。

顔認証システムを導入すると、手作業で行っていた事務処理がシステム化され、正確でスムーズな資格確認が可能になります。そのため、受付から診療報酬請求までのスタッフの業務全体が効率化される点がメリットです。

患者の満足度アップにつながる

医療機関では、混雑の状況によって待ち時間が長くなったり、受付での健康保険証や診察券の受け渡しに時間がかかったりするケースがあります。人気がある病院では待ち時間が長く、受診を負担に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

顔認証システムの導入は、医療機関のスタッフの業務負担を軽減するだけでなく、患者にとってもメリットがあります。時間がかかっていた事務処理が簡略化されるため、患者がスムーズに医療機関を受診できるようになり、満足度アップにつながる点がメリットです。

業務に必要な端末と一体化できる

病院では、健康保険組合などの支払機関に、診療報酬を請求するためのレセプトを作成する必要があります。レセプトは、受付などに設置されたレセプションコンピューターを利用して作成されています。

顔認証システムの製品の中には、オンライン資格確認のための端末と、レセプションコンピューター端末を一体化できるものがあり、省スペースで業務が可能になる点がメリットです。

顔認証システムを選ぶ際のポイント

顔認証システムの認証技術は年々進歩しています。しかし、製品によって認証精度や認証速度が異なる点に注意しましょう。顔認証システムを選ぶ際は、設置場所に合った製品選びが大切です。

例えば、マスクや眼鏡を着用していても認証できるか、暗い場所でも認証できるかなどは製品の性能によって異なります。製品選びを間違うと、認証がうまくいかずスムーズな入退室ができなくなります。まずは、設置場所の環境や利用シーンをチェックし、問題なく認証できる性能の製品を選びましょう。

アートの顔認証デバイス「EASY FACE」

アートの顔認証デバイス「EASY FACE」をご紹介します。「EASY FACE」は認証精度が高く、スピーディーな認証ができるデバイスです。設置が簡単で導入しやすいため、顔認証システムを利用してセキュリティ対策をしたい方におすすめの製品となっています。

ここでは、「EASY FACE」の性能や便利な機能について詳しく解説します。

「EASY FACE」の特徴

「EASY FACE」は顔の認証精度が99%以上認証速度が0.2秒以内の性能で、マスクをつけたままでも認証できる製品です。混雑する場所でも、素早く認証でき利用者がストレスを感じにくい点が特徴です。

本体のタッチパネルとカメラを使って簡単に顔データの登録が可能で、使いやすい製品となっています。また、カード認証もでき、セキュリティレベルに応じて認証方法を選択可能です。

例えば、医療機関で患者の個人情報を守るためにセキュリティ対策をしたい場合は、操作が簡単で高性能な「EASY FACE」の導入を検討されてはいかがでしょうか。アートではサポート体制も充実しているため、セキュリティレベルに応じた製品の導入をバックアップできます。

顔認証システム導入で医療機関の業務をもっと快適に!

医療機関への顔認証システムの導入は、スタッフの業務負担軽減に効果的です。また、患者側もスムーズに医療機関を利用できるようになるため、利便性の向上につながり、満足度が高まる点もメリットです。

顔認証システムの製品を選ぶ際は、設置場所によって必要な性能や機能が変わるため、まずは設置場所や設置目的を明確にしましょう。ストレスなく利用できる環境を整えるためには、目的に合った製品の導入が大切です。

まずは、情報を守るためのセキュリティ対策として、簡単に設置できる顔認証システムを導入されてはいかがでしょうか。

Q&A

Q:顔認証システムは医療機関でどのように利用されていますか?

A:医療機関では、患者の見守りやオンライン資格確認のために顔認証システムを導入しています。

Q:顔認証システムを選ぶ際のポイントはありますか?

A:顔認証システムは、製品によって認証精度や認証速度が異なります。設置場所や利用シーンに合わせて、製品の性能や機能をチェックしてから選びましょう。

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