電磁錠は屋内扉の防犯対策に最適!メリットや製品選びのポイントも解説

Column コラム

家庭や企業の防犯意識の高まりを受け、屋内や室内への出入りを制限する需要が増えています。セキュリティゲートを設置して制限したり、入退室管理を導入して人流を管理したりと方法はさまざまです。

一方で、既設の鍵穴のある扉は、ピッキングなどの犯罪に無防備であるため対策が欠かせません。解決策の1つに電磁錠があり、既設の扉にも設置できるため、大きな工事を伴わずに導入できるのがメリットの1つです。

本記事では、そんな電磁錠に関してメリット・デメリットや導入する際のポイントを紹介します。電磁錠の導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

電磁錠とは?

電磁錠とは、電気が流れると磁力が発生する電磁石の力を利用して、本体と吸着板を磁力で強力に吸着し鍵をかける仕組みです。電磁石の力は200kgを超えるものも多く、人力で無理やり解錠するのは不可能でしょう。

機種によっては吸着力を抑えてコンパクトにしたものもあり、利用場面に合わせた製品選びが可能です。電磁石の力で施錠できるため、鍵穴を必要としません。鍵の紛失やピッキングによる犯罪への対策としても有効な手段です。また、既設の扉にも大きな工事をせず設置できるため、コストを抑えて防犯対策したい方にぴったりでしょう。

電気錠とはどう違うのか?

電気錠は、電気の力で鍵の施解錠を行う仕組みです。電気の力で磁力をコントロールして使用する電磁錠は電気錠の一種といえます。一般的な電気錠は、電気で動くモーターの力でかんぬきを動かします。そのため、モーターの動作音があり、病院などの静かな場所での使用には不向きです。

モーターなどの可動部分が多いため、電磁錠と比べて耐久性が劣ります。さらに、使用頻度の高い扉の場合はメンテナンスなどの作業が必要です。また、停電などで電気が止まるとモーターが動かなくなるので、鍵がかかったままになってしまうリスクがあります。

屋内で電磁錠を使う6つのメリット

ここまで電磁錠がどのようなものなのか、電気錠とは何が違うのかについてまとめました。ここからは、電磁錠のメリットについてまとめます。

  • 既設の扉にもあとから取り付けできる
  • 停電時にはロックが解除される
  • 扉の種類によらず取り付けできる
  • 耐久性が高い
  • セキュリティ対策に効果がある
  • 屋内のみならず屋外にも取り付けできる

メリット1:既設の扉にもあとから取り付けできる

電磁錠は、電磁石を中に持つ本体部分と、磁石を吸着させる吸着板を向き合わせるように取り付けます。大きな工事が不要であるため既存の扉にも設置可能です。

扉の種類によっては、切り欠き工事ができず電気錠が取り付られない場合がありますが、電磁錠は切り欠き工事が不要であるため多くの種類の扉に取り付け可能です。既設の扉を入れ替えずにそのまま利用できるため、導入コストを抑えられるでしょう。

メリット2:停電時にはロックが解除される

モーター型電気錠だと、停電するとモーターを動かせず、鍵の施解錠ができなくなります。鍵のかかった状態で停電すれば、解錠は困難です。

一方、基本的に電磁錠は、停電すると電磁石への電気の供給が止まることで磁力が失われ、結果として吸着力が無くなり解錠されます。停電時に解錠される特性を生かして、非常口に設置する運用にも適しています。ただし、製品のタイプによって異なるので、事前に確認する必要があるでしょう。

メリット3:扉の種類によらず取り付けできる

扉の種類には開き戸や引き戸などさまざまなタイプがあります。シンプルな構造の電磁錠は、設置する際に場所をとらないため、扉の種類によらず取り付け可能です。

取付金具が豊富に用意されているタイプや、扉の種類に特化したタイプまでさまざまであるため、設置予定の扉に合わせて機種を選ぶとよいでしょう。

メリット4:耐久性が高い

電磁錠は、電気が流れると磁力が発生する電磁石の仕組みを使用した鍵であるため、モーターのような駆動部分がほとんどありません。そのため、耐久性が高く使用頻度の高い扉への設置にも十分耐えられます。取り付け後のメンテナンスも最小限で済むため、ランニングコストを抑えられるでしょう。

メリット5:セキュリティ対策に効果がある

電磁錠は吸着力が非常に強力で、人力で無理やり開けることはほとんどできません。不正解錠されにくいため、セキュリティ対策として高い効果を発揮します。

電磁錠の吸着力は200kgを超えるケースが多く、これを上回らない限りは開けられる可能性はありません。電磁錠の力を上回るのは現実的ではなく、ほかのセキュリティ対策も立てやすくなるでしょう。

メリット6:屋内のみならず屋外にも取り付けできる

電気を使用して鍵を施解錠させる電気錠は水に弱く、屋外での設置が難しい場合があります。特に、モーター式の電気錠は駆動部分も多く、雨による動作不良が起こりやすいです。

仕組みがシンプルな電磁錠は、防水仕様の機種も販売されており、屋内はもちろん屋外の門扉でも取り付けできます。屋内の水を扱う食品工場などでも安心・安全に利用できます。

電磁錠の2つのデメリット

ここまで電磁錠のメリットについてまとめました。一方で、電磁錠にもデメリットはあります。ここでは電磁錠のデメリットをまとめます。

  • 扉の外観を損なう可能性がある
  • 配線などの工事が必要となる

デメリット1:扉の外観を損なう可能性がある

既存の扉に取り付けができる反面、電磁錠の本体や吸着板がむき出しになってしまうため、デザインを重視した扉に取り付けると、外観を損なってしまう可能性があります。

外観を損ないたくない場合には、扉に埋め込んで使用できるタイプの電磁錠を選ぶとよいでしょう。ただし、扉の加工や交換が必要となり導入コストが大きくなる点には注意が必要です。

デメリット2:配線などの工事が必要となる

電磁錠は電気錠の一種であるため、電源がないと動作しません。そのため、電磁錠を取り付ける際には配線や電気工事が発生します。近くに電源がない扉の場合、遠くから配線する必要があるため、工事費用が高額になってしまいます。

電気工事がともなう場合は、事前にしっかり検討するようにしましょう。

屋内で使う電磁錠の製品選びのポイント

ここまで電磁錠のメリットやデメリットについてまとめました。上記のメリット・デメリットをふまえて、屋内で使う電磁錠の製品選びのポイントをまとめます。

  • どのような扉に取り付けたいのか?
  • 費用はどれくらい出せるか?
  • ほかのシステムと連携しやすいか?
  • 吸着力が強いか?
  • 寿命がどれくらい長いか?

ポイント1:どのような扉に取り付けたいのか?

電磁錠の取り付けは、電磁錠本体と吸着版を組み合わせた構造であるため、取り付ける際に大きなスペースを必要とせず、比較的幅広いタイプの扉に対応しています。また、扉のデザインを損ないたくない場合でも、埋め込みタイプの電磁錠もあるため安心です。

ただし、その分コストが大きくなる場合があるので、実際に取り付け予定の扉を業者に確認してもらったうえで導入するとよいでしょう。

ポイント2:費用はどれくらい出せるか?

電磁錠は電気錠のなかでは比較的費用を抑えられる製品です。それでも電磁錠を取り付ける場所によっては、大がかりな配線工事の費用が発生する場合もあります。製品価格が抑えられるからといって採用すると、想像以上の費用がかかる可能性もあるため、製品価格以外の費用も事前に確認しておきましょう。

ポイント3:ほかのシステムと連携しやすいか?

電磁錠は電気的に制御するため、各種制御盤と接続して使用する場合が多いでしょう。制御盤は、電磁錠と施解錠するための各種認証端末を管理するために必要です。そのため、使用予定の電磁錠が制御盤に対応しているかを事前に確認しておく必要があります。

また、入退室管理システムと連動させての利用を検討する場合には、接続が可能か、運用は行いやすいかなどもあわせて検討しましょう。

ポイント4:吸着力が強いか?

電磁錠は、基本的に吸着力が強いものが多いですが、細かい特徴は製品によって異なります。吸着力が強いほどセキュリティ対策として効果が高くなるので、できる限り吸着力が強い製品を選ぶのが無難でしょう。

ポイント5:寿命がどれくらい長いか?

モーターなどの機械的機構を持たない電磁錠は耐久力が高く、電気錠のなかでは寿命が長いです。ただし、利用頻度の高い扉に設置する場合には、どれくらいの施解錠に耐えられるかを確認しておくとよいでしょう。

【種類別】電磁錠の取り付けについて

ここでは、実際にどのような扉に電磁錠が取り付けられるのかまとめます。

開き戸の場合

開き戸が内開き・外開きにかかわらず、電磁錠は取り付け可能です。取付金具が多数用意されているため、扉の開く向きを選びません。扉の素材や重量に合わせて取り付け方法を選べます。

引き戸の場合

引き戸の場合は、扉側・建物側のどちらかに本体を埋め込み、その反対側に吸着板を取り付けます。電磁錠を埋め込んで設置すれば、外観を損なわずに利用可能です。

小型強力・長寿命・取り付け簡単な屋内用電磁錠「ゼネロック」

ここまで、電磁錠についてメリットやデメリット、製品選びのポイントなどをまとめました。ここからは、実際に導入を検討するにあたり、小型強力で長寿命、取り付け簡単な屋内タイプの電磁錠「ゼネロック」を紹介します。

ゼネロックは、電気が流れるとすると施錠し、電気が切れると解錠する通電時施錠型であるため、災害などで停電が発生しても扉が解錠され閉じ込められる心配がありません。また、通電時の吸着力は280kgと強力であるため、無理やり扉を解錠するのは困難です。さらに、モーターやかんぬきといった可動する部品がなく、摩耗故障がないため長期間にわたって利用できます

そのうえ、小型な形状であるため、扉の切り欠き加工が不要で簡単に取り付け可能です。ほかの電気錠が取り付けできない扉でも設置可能で、大半のアート製の制御盤に対応しているため、電気錠制御盤及び入退室管理装置での運用ができます。

電磁錠のメリットを活かし屋内で安全な環境を作ろう

防犯対策や利便性の向上など、電磁錠の導入には多くのメリットが期待できます。製品によっては、利用できる扉が限られていたり、ほかのシステムとの連携が難しかったりといった課題があるため事前の確認が重要です。

 一度導入すると、あとからの修正が困難であるため、ポイントを押さえたうえで導入を検討しましょう。電磁錠の導入をお考えであれば、事前のヒアリング・提案、導入から運用サポートまでワンストップで対応できる弊社のゼネロックをご検討ください。

Q&A

Q:電磁錠を導入するメリットは何ですか?

A:電磁錠を導入するとピッキングなどの犯罪行為が困難になるため防犯効果が高まります。またほかの電気錠と比べると費用を抑えた導入ができるためコスト面でもメリットが期待できます。

Q:停電になるとどうなりますか?

A:電気の力で磁力を発生させる電磁錠は、停電になると磁力が失われ解錠されます。そのため停電時に閉じ込められてしまう危険性はありません。

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