電磁錠の仕組みとは?電気錠との違いやメリット・デメリットを解説

Column コラム

電気錠は、電力で施解錠でき遠隔操作が可能なため、セキュリティ対策として幅広い場所で利用されています。電気錠と同じく電力で動作する電磁錠もありますが、仕組みや電気錠との違いがわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では電磁錠の仕組みを解説します。メリットやデメリットを把握し、設置場所に適しているかチェックしましょう。設置工事の有無導入後の注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

電磁錠の仕組み

電磁錠とは、電力を使い電磁石の力で施解錠を行う錠前を指します。電気錠と同じように、電気錠制御盤や入退室管理装置で施解錠を操作できます。

電磁錠は磁石の吸着力を利用して施解錠する仕組みです。扉の開閉部分に吸着板、枠部分に本体を取り付けて利用します。電力で磁力を発生させたり、磁力を停止させたりしながら扉の施解錠を行うのです。

また、電磁錠に使われている磁石の吸着力は、ほとんどの製品で200kgを超えます。強力な吸着力でしっかりと施錠されるため、効果的なセキュリティ対策が可能になるでしょう。

電気錠との違い

電磁錠と電気錠は混同されがちですが、電磁錠は電気錠の一種であり、電磁式電気錠とも呼ばれています。電気錠との違いは、電磁錠にはモーターなどの内蔵部品が少ない点です。

電気錠は内蔵されたモーターを電気で動かし、かんぬきを抜き差しして施解錠する仕組みとなっています。

一方、電磁錠は磁力の吸着力を利用して扉の施解錠を行うため、モーターのように可動する部品が少ないです。電気錠は施解錠時にモーターの動作音が聞こえますが、モーターがない電磁錠は動作音が静かです。

電磁錠の6つのメリット

ここでは、電磁錠のメリットを6つ紹介します。電磁錠と電気錠を比較しつつメリットを紹介するので、どちらを選ぶか迷っている場合はぜひ参考にしてください。

メリット1.扉の交換や切り欠き工事が必要ない

電磁錠は扉に後付けでき、大掛かりな工事を行う必要がないため設置しやすいのがメリットです。電気錠にも後付けできる製品はありますが、扉に切り欠き工事を行うケースがあります。扉に加工を施すため、賃貸物件では利用できない場合もあるでしょう。

一方、電磁錠は扉に直接貼り付けて設置できるため、扉を傷つけずに導入できます。扉に工事を施したくない方、工事のコストや時間を省きたい方が利用しやすいのが電磁錠です。

メリット2.さまざまなタイプの扉に設置できる

電磁錠にはさまざまな扉に対応した製品があり、扉のタイプに合わせて選べるのがメリットです。例えば、開戸や引き戸だけでなく門扉、自動ドア専用の電磁錠などがあるため、幅広い扉に対応できます。

扉によっては工事が難しく、電気錠では設置できないケースがあります。電磁錠は電気錠よりも対応できる扉の種類が豊富です。電気錠が取り付けできない扉の場合は、電磁錠の製品の中から最適なものを探しましょう。

メリット3.屋内でも屋外でも利用できる

電磁錠には屋内用と屋外用の製品があるため、幅広い場所で利用できます。建物の中だけでなく、屋外の門扉にも利用しやすいのがメリットです。屋内・屋外兼用のタイプもあり、設置場所や気候に合わせて製品を選べます。

電気錠は防水性が低い製品が多いですが、電磁錠には雨や風の影響を受ける屋外でも利用しやすい製品があります。屋外に設置できる電気錠を探している方は電磁錠がおすすめです。

メリット4.耐久性があり壊れにくい

電磁錠にはモーターのように可動する部分がほぼなく、部品の磨耗による劣化が起こりにくいため耐久性があります。モーターの動作で部品が摩耗する電気錠よりも寿命が長いため、長期間使用する場合も安心して利用できるでしょう。使用頻度が高い扉に設置しても壊れにくい点もメリットです。

さらに、寿命が長いため部品交換や修理などの手間やコストを抑えて運用できます。使用頻度が高い扉で、電気錠の故障に不安を抱える方もいるかもしれませんが、壊れにくい電磁錠の導入を検討するとよいでしょう。

メリット5.不正解錠されにくい

電磁錠に使われている電磁石の吸着力は強力で、人力でこじ開けるのはほぼ不可能です。ピッキングなどによる不正解錠を防止しやすいため、高いセキュリティ効果を得られるでしょう。電磁錠は防犯対策に力を入れたい場合にも活躍します。

製品の吸着力を上回る力が加わると磁石が離れて扉が開いてしまいますが、電磁錠のほとんどの製品は200kg以上の吸着力があり、こじ開けに強い設計となっています。特に大型の製品は吸着力も強いため、セキュリティ面に不安を感じる場合は、吸着力に着目して製品を選ぶとよいでしょう。

メリット6.停電時は解錠される

電磁錠は電力で動いているため、停電によって電力供給が止まると電磁石の磁力が失われて解錠状態になります。通常時、解錠に利用しているカードキーなどは反応しなくなりますが、扉は解除状態になるため閉め出される心配はありません。

電気錠の場合は、電力供給がしゃ断された途端に動作しなくなる製品がほとんどです。解錠も施錠もできなくなるため、バッテリーで動作する製品以外の場合は閉め出されるリスクがあります。

また、電磁錠は電力供給のしゃ断で解錠状態になりますが、有事の際は警備員を配置するなどの対策をすればセキュリティ面でも安心です。

電気錠の種類による停電時における動作の違い

電気錠には通電時施錠型通電時解錠型があります。停電が起こり電力がしゃ断された場合に、施錠するか解錠するかは製品の仕様を確認しましょう。そして、電磁錠は停電時に解錠状態となる通電時施錠型です。

災害やセキュリティ対策を考慮し、停電時に施錠するタイプか解錠するタイプか決定しましょう。高いレベルのセキュリティが必要な場所では、停電時に施錠するタイプを設置したり、警備員を配置したりして対策できます。セキュリティレベルに応じて電気錠と電磁錠を使い分けましょう。

電磁錠の2つのデメリット

メリットが多い電磁錠ですが、ここでデメリットを2つ紹介します。設置場所によっては工事が必要になる点、デザイン性の高い扉への設置には注意が必要な点について解説するので、ぜひ参考にしてください。

デメリット1.配線工事が必要になる

電磁錠を設置する場合は、扉の交換や切り欠き工事は不要です。しかし、電磁錠の動作には必ず電力を使用するため、配線工事が必要になる点に注意しましょう。電磁錠を導入する際にどのような配線工事が必要になるかは、設置場所や配線の状況によって決まります。

また、電源から遠い場所に電磁錠を設置する場合は、まず電気工事を行い電源を確保しなければならないケースもあります。工事にかかるコストや時間は設置場所によって左右されるため、設置場所が確定したら業者に確認しましょう。

デメリット2.扉のデザインに影響する

電磁錠は扉に直接設置するため、製品の大きさによっては扉のデザインに影響します。例えば、デザイン性が高い扉の場合は、電磁錠の設置後に見栄えが悪くなってしまう点がデメリットです。

扉のデザインを重視したい場合や見栄えが気になる場合は、扉のデザインに影響しにくく目立たない小型タイプの電磁錠を選びましょう。小型の電磁錠ではセキュリティ面が不安だと感じる方もいるかもしれませんが、小型でも200kg以上の吸着力がある製品であればセキュリティ面でも安心して利用できます。

電磁錠はこんな場所におすすめ!

電気錠か電磁錠か迷う場合は、扉の使用頻度の高さをイメージしたり扉や設置場所に制限があるかを確認したりして、どの種類が適しているかを見極めましょう。

例えば、電磁錠は電気錠よりも耐久性があるため、オフィスなどで多くの人物が利用し、使用頻度が高い扉で活躍します。また、施解錠時の動作音が静かなため、大きな音を立てたくない場所への導入もおすすめです。

さらに、電磁錠はビスで固定するだけで設置できるため、賃貸物件などで扉の加工や交換ができない場所でも利用できます。電気錠を設置できなかった場合は、電磁錠の導入を検討しましょう。

低価格で長寿命を実現したZENESQUEの電磁錠

ZENESQUE(ゼネスク)の屋内用電磁錠「ゼネロック」を紹介します。ゼネロックは小型のため幅広い場所で利用しやすく、低価格で長寿命を実現した電磁錠です。取り付けが簡単なため、電気錠が利用できない扉に導入しやすい製品となっています。

ここからは、ゼネロックの特徴を解説します。大型の製品は設置しづらいと考えている方や、低価格の製品を探している方はぜひチェックしてください。

小型でも強力!屋内用電磁錠「ゼネロック」の特徴

ゼネロックは小型ながら、280㎏の吸着力がある強力な電磁錠です。設置の際はビスで電磁錠を固定するため、扉の切り欠き加工が不要で設置しやすい製品となっています。また、引き戸にも対応できるため、引き戸用電気錠が設置できなかった場合はぜひ検討してください。

また、ゼネロックは電力供給が途絶えると解錠するタイプのため、停電時も建物に閉じ込められる心配がありません

さらに、アート製のほとんどの電気錠制御盤や入退室管理装置に接続可能です。セキュリティ対策や入退室管理などの幅広い利用シーンで導入しやすい製品となっています。

電磁錠の仕組みを理解して設置場所に合う製品を選ぼう

電磁錠は電気錠よりも耐久性があり、さまざまな扉に取り付け可能なため幅広いシーンで利用できます。電気錠が取り付けできなかった扉でも、電磁錠であれば設置できる可能性があるためチェックしましょう。

電磁錠は耐久性に優れており長寿命な製品が多いですが、配線工事が必要な点や扉のデザインを損なう場合がある点を考慮して導入を検討してください。扉のデザインが崩れるのが不安な場合は、ゼネロックのような小型の電磁錠を選びましょう。

Q&A

Q:電磁錠と電気錠の違いは何ですか?

A:電磁錠は電気錠の一種です。電磁錠には電磁石が使われており、吸着力を利用して施解錠を行う仕組みとなっています。電気錠とは違い、扉の加工工事や交換が不要で既存の扉にそのまま取り付けできます。

Q:電磁錠のメリットは何ですか?

A:電磁錠にはさまざまなタイプがあり、取り付け可能な扉が多い点がメリットです。また、可動する部品がほぼなく耐久性に優れているため、長期間の利用にも適しています。さらに、吸着力が200kg以上ある製品が多く人力ではこじ開けるのが難しいため、セキュリティ対策として効果的です。

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